BLOGサブスレッドの日常

2026.05.16

If…インタフェース

kakenavi

マイグレーションという作業において、頭の中にSPEEDのmy graduationが流れるのか渡辺美里のMy Revolution が流れるのかで、おじさんなのかおじいさんなのかの識別ができます。こんにちは、おじいさんです。おばあさんや、朝会はまだかいな。

私には印象に残っているテレビ番組の特集があります。20年ほど前だったでしょうか、なぜ人は飲み会において2次会3次会に行くのか、という趣旨のことを議論していました。そのなかで、こんな実験をしたのです。

実験の趣旨を伝えていない成人済みで友人関係にある学生4名を、あるチェーン居酒屋のお店に入ってもらい、2時間ほどお酒を飲みながら飲食してもらっている風景を隠しカメラで撮影する。

夢のような実験ではないでしょうか。被験者たちは大いに盛り上がっていました。
とはいえ、2時間が近づくにつれ、話題も尽きたのか徐々に口数が減っていきました。
ここからがこの実験の本題です。

次は2次会として、4名を200mほど離れた同じチェーン居酒屋の別の店に連れていき、また2時間ほどお酒を飲みながら飲食してもらっている風景を隠しカメラで撮影する

違うのは少し歩いて違う店に来たとは言え、同じメニュー、同じような座席、同じ座り方、同じような雰囲気。
そんな2次会は普通考えにくく、戸惑いながらも乾杯をする被験者たち。
ところが不思議なことに、4名は1次会同様に、あるいはそれ以上に盛り上がり、飲食をしたのです。
とはいえ、2時間が近づくにつれ、話題も尽きたのか徐々に口数が減っていきました。
おおよそご想像されているかと思いますが…。

次は3次会として、4名を300mほど離れた同じチェーン居酒屋の別の店に連れていき、また2時間ほどお酒を飲みながら飲食してもらっている風景を隠しカメラで撮影する

さすがに呆れた顔をしている4名の顔が印象的でした。
それでも、はい、そうです、やはり盛り上がりなおしたのです。

番組がどう締め括られたのかをよく覚えていませんが、私は以下のように理解しました。
人は、あるいは人たちというのは、同じ環境に身を置いていると飽きが生じて徐々にパフォーマンスが硬直するが、僅かな変化があれば取り戻すことができる。

さて。
私の主な仕事は経営とプロジェクトマネジメントです。
顧客に最高の価値を提供し、仲間に最大の対価を提供し続けるのが仕事です。
ほとんどの場合において、定型的な問いと正解は存在せず、ただひたすらに考え、パソコンに向かって手を動かす日々です。
そのとき、自分の考えが硬直していることに気がつくのはとても難しいことです。泥酔した酔っ払いが「飲み過ぎだぞ」といわれて「たしかに私は飲み過ぎている!」と気がつくことぐらい難しいことです。
「もうこれ以上の打つ手はない」と感じたときに、本当に打つ手がないのか、自分の能力の限界で思いつかないだけなのかというのは、自分には区別がつきません。

そんな時に先述の実験を思い出すのです。

パソコンに向かうのではなく、別の環境で考えたらどうだろう、と。
パソコンを閉じて、手書きのノートに同じことを書いてみる、後ろのホワイトボードに書いてみる、iPhoneを音声認識モードにして喋って考えてみる、思い切ってなにも持たずに散歩に行ってみる。
行き詰まったら、能力を疑う前に仕事とのインタフェースを変えてみるのです。
いままで思いつかなかった課題や解決方法に気がついたりしたら、儲けもんです。
普段の私はMacで仕事をしていますが、Windows環境に切り替えるとまた違う結果になったりするので不思議なものです。そんなことで自分の能力の限界を変えられるのなら、やり方や環境を変えることをめんどくさがるのはもったいないというものです。

プログラマーのみなさんはご経験があるのではないでしょうか。どうしても分からないバグの原因に、なぜかお風呂で気がつくことが。そう、行き詰まった時は違う環境で思いつくことがあるというのはアルキメデス以来の伝統なのです。

繰り返しになりますが、自分の考えが硬直していることに気がつくのは難しいことです。
だからこそ、ひとつのやり方ではなくいくつかのやり方で仕事にアプローチしていくという仕組みを習慣化しておくのは大切なのではないでしょうか。

ちなみに私はこの記事を、雨上がりのブランコに座ってiPadで書きました。なぜだかものすごく「仕事をがんばろう」という気持ちになります。より正確にいうなら「仕事をがんばらないとやばい気がする」かもしれません。空には虹がかかっていました。これがほんとの「にじ会」だなー。

この記事を書いた人

kakenavi